衆議院秘書協議会

秘書協議会の沿革・歴史

衆議院秘書協議会の結成にいたる当時の状況については、記念誌「秘書の風景」(1990年・衆議院秘書協議会結成20周年記念出版)のなかの、関係者による座談会や思い出に詳しく述べられている。

同誌巻末の年表を見ていただければ、秘書協は一朝一夕にできたものではなく、秘書諸君に共通する切実な待遇改善の要求と、独立した人格として扱われたい という当然の思いがその背景にあり、それが政党の枠を乗り越えさせ、協議組織結成にこぎ着けたエネルギーだったことがわかるであろう。

衆議院秘書協議会が、規約を制定して正式に発足したのは、1972年(昭和47)年4月10日である。しかし、実際の発足は当時の活動の高揚、特に「国会議員秘書年金基金」制度を創設させたという1970(昭和45)年を事実上の結成時点としている。

それぞれ異なる政党に所属しながらも、秘書という立場と身分で共通する問題は一致結束していこうという考えは、今では、
1)政治からの独立、
2)自主性の堅持、
3)全会一致
という秘書教の活動の「三原則」となっている。

憲法は主権在民の原則の上に国会を国権の最高機関と定めている。その国会議員の「職務遂行を補佐する」私たち秘書は、『青雲の交(まじわり)』を持つもの同士である。

秘書協の存在と役割は、書言故事に言う「ただに杯酒を均銜(ふく)むのみにあらず」、議会制民主主義の発展にとって不可欠なものであろう。

 

 

衆議院秘書協議会規約

(名 称)

第1条
本会は衆議院秘書協議会(以下「秘書協」と略称する)と称し、事務局を衆議院内に置く。

(目 的)

第2条
本会は衆議院各党秘書会・秘書団の代表者をもって構成し、衆議院議員秘書の社会的地位の向上、身分・処遇の改善及び職場環境の整備並びに倫理意識の涵養及び資質の向上を図り、もって我が国の議会制民主主義の発展に寄与することを目的とする。

(役員及び役員会)

第3条
本会に次の役員を置く。
会長1名  副会長1名
事務局長1名
会計1名  幹事若干名
会計監査2名
なお、必要に応じ事務局次長若干名を別に置くことができる。

(2)
会長は本会を代表して会務を総括し、副会長は会長を補佐する。
事務局長は会務の執行にあたり、事務局次長は事務局長の職務の一部を分担し、これを補佐する。
(3)
役員会は、会長が招集し、役員の過半数の出席により成立する。

2 本会に、顧問及びアドバイザー若干名を置くことができる。

(2)
顧問及びアドバイザーは、会長が委嘱する。
(3)
顧問は、役員会に出席し、意見等を述べることができる。
(4)
アドバイザーは、会長の諮問に応じ、意見・助言等を行うものとする。

(役員の選任)

第4条
各党秘書会・秘書団の代表者が幹事となり、この幹事の互選により会長、副会長及び会計監査を選任する。
2 事務局長、事務局次長及び会計は、会長が指名する。

(役員の任期)

第5条
役員の任期は、毎年1月1日から12月31日までの1年間とする。ただし、再任を妨げない。
2 役員は、任期満了後においても後任者が選任されるまでの間は、その職務を行うものとする。

(専門委員会等)

第6条
本会の会務を円滑に推進するため、専門委員会及び小委員会を設けることができる。
2 専門委員会及び小委員会の構成、運営その他必要な事項は役員会において決定する。

(倫理憲章)

第7条
本会は、秘書に対する倫理意識の涵養を図るとともに、秘書の果たすべき責務等に関する「衆議院議員秘書倫理憲章」を別に定める。

(倫理憲章の遵守)

第8条
各党秘書会・秘書団は、各々に属する秘書に対して、前条に定める倫理憲章の誠実な遵守を勧奨しなければならない。

(会 計)

第9条
本会は各党からの拠出金(会費)及び寄附金その他によって運営する。

(2)
各党の拠出金は、1議員室あたり年額3,000円とする。
(3)
本会の会計年度は、毎年1月1日から12月31日とする。

(規約の改正)

第10条
本規約の改正は、役員会において出席役員全員の同意を得て行うものとする。

(附則)

第11条
本規約は、昭和47年(1972年)4月10日から施行する。

平成2年(1990年)7月23日 一部改正
平成5年(1993年)8月11日 一部改正
平成16年(2004年)3月25日 一部改正

倫理憲章

衆議院議員秘書 倫理憲章の制定にあたって

1947年の公設秘書制度創設以来、われわれ衆議院議員秘書は、主権の存する国民から国政に関する権能を信託された国会議員の職務を補佐するという崇高なる責務を有し、国権の最高機関である「国会」の一員としての誇りと使命感を持ちつつ、その職責を果たしてきた。

しかしながら、昨今、一部の議員及び秘書が、政治と金をめぐる不祥事を惹起し、国民の立法府に対する信用失墜の因を生ぜしめたことについて痛嘆するとともに、深く自戒の念を致すところである。

国民からの批判を真摯に受けとめ、今後このような不祥事が再演することのないよう、各々が高い自己規律に基づき不断の努力を行うことは、われわれにとって現下の喫緊の課題である。

今こそ、議会制度の根幹である政治倫理を確立し、以て国権の最高機関たる国会の権威と名誉を守り、わが国の議会制民主主義の健全な発展に資するため、ここに党派を超えて衆議院議員秘書倫理憲章を自ら定めるものである。

平成16年(2004年) 3月25日

衆議院議員秘書・倫理憲章

1.
われわれは、単に自らを採用する議員の信頼に応えるのみならず、広く主権者たる国民の信頼に値するより高い倫理観と強い義務感を銘記し、勤務の内外を問わず清廉を持して、職務を誠実に遂行するとともに、政治腐敗の根絶と政治倫理の向上に努めなければならない。
1.
われわれは、国会法及び国家公務員法に明記された特別職国家公務員として、立法府に携わる重要な任務を担っていることを自覚し、法令及び社会的規範の厳格な遵守に率先垂範努めなければならない。
1.
われわれは職務上知り得た秘密を妄りに漏らしてはならず、職務の執行に当たっては、常に公正を旨として、国民との信頼関係を構築しなければならない。
1.
われわれは、自らの職務に利害関係を有する者からの贈与等を受け取ること等の国民の疑惑や不審を招く行為を厳に慎しみ、職務遂行の適正さを確保しなければならない。
1.
われわれは、政治倫理に反する事実の指摘がされ、又は、疑惑を持たれた場合にあっては、率先して事実の訴明と疑惑の払拭に努めるとともに、その責任の所在を明らかにしなければならない。

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